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便潜血検査(検便、便の検査)で陽性と言われたら

健康診断や市町村の大腸がん検診で、「便潜血陽性です。大腸カメラによる精密検査を受けてください」と言われたものの、そのままになっている方は意外と少なくありません。

診察室でも、「痔があるのでそのせいだと思います」「血便もないし、お腹も痛くないので大丈夫ですよね」「仕事が忙しいので、落ち着いたら受けます」といったお話をよく伺います。

お気持ちはよく分かります。便潜血が陽性と言われても、普段どおり元気に過ごせていれば、「本当に検査が必要なのだろうか」と感じるのも無理はありません。


しかし、便潜血陽性という結果は、決して軽く考えてよいものではありません。便潜血検査は、便の中に目では見えないわずかな血液が混じっていないかを調べる検査です。陽性だからといって必ず大腸がんというわけではなく、痔や腸の炎症などが原因となることもあります。それでも、「どこかから出血している可能性があります」という体からのサインであることに変わりはなく、その原因を調べるためには大腸カメラが必要になります。


実際に、便潜血陽性の方が大腸カメラを受けると、約2%、つまり50人に1人程度の割合で大腸がんが見つかると報告されています。数字だけを見ると少なく感じるかもしれません。しかし、その50人のうちの1人が自分ではないと言い切れる人はいません。また、見逃してはいけないのが大腸ポリープです。便潜血陽性の方では30〜50%程度に、治療や経過観察が必要なポリープが見つかります。大腸ポリープの多くは、その場で切除することができ、将来大腸がんになるリスクを減らすことができます。つまり、大腸カメラは「がんを見つける検査」であると同時に、「がんを予防する検査」でもあるのです。

「症状がないから大丈夫では?」と思われる方もいらっしゃいます。しかし実際には、早期の大腸がんや大腸ポリープには自覚症状がほとんどありません。血便や腹痛、便秘などの症状が現れた頃には、病気が進行していることもあります。だからこそ、症状がない段階で異常を知らせてくれる便潜血検査には、大きな意味があるのです。また、「痔があるから陽性になっただけ」と自己判断するのも危険です。痔が原因で陽性になることはありますが、痔と大腸がんが同時に存在することも決して珍しくありません


私は診療の中で、便潜血陽性になった患者さんには、「陽性だったことを悲観する必要はありません。むしろ今見つかったことが大切なのです」とお話ししています。もし病気があったとしても、早期に発見できれば内視鏡治療だけで完治できる可能性があります。一方で、「忙しいから」「症状がないから」と何年も先延ばしにしてしまうと、本来もっと簡単に治療できた病気が進行してしまうこともあります。


栗東内科・内視鏡クリニックでは、院長・三好薫人と副院長・中浦玄也の内視鏡専門医2名体制で内視鏡診療を行っています。鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラや日帰りポリープ切除にも対応しており、2026年12月1日のリニューアル移転後には内視鏡AI診断システムも導入予定です。専門医2名による経験とAIの力を組み合わせることで、より質の高い診断を目指しています。


便潜血陽性は、「50人に1人の大腸がん」を見つけるためだけの検査ではありません。3〜5人に1人で見つかる大腸ポリープを切除し、大腸がんそのものを予防するための大切なきっかけでもあります。

もし便潜血陽性と言われたら、「まだ症状がないから大丈夫」ではなく、「今こそ調べるチャンス」と考えていただければと思います。その一歩が、将来の健康を守ることにつながります。


栗東内科・内視鏡クリニック

副院長 中浦玄也



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